経済学(けいざいがく、Economics)とは
資源が有限である中で、人々や社会がどのように資源を配分し、利用するかを研究する社会科学の一分野です。
具体的には、商品やサービスの生産、分配、消費に関する仕組みや人間の行動を分析・解明し、より効果的で公正な資源の配分、ひいては社会全体の幸福や豊かな社会の実現を目指します。
経済学の基本概念(希少性、需要と供給、ミクロ・マクロ、機会費用など)を把握した上で、次のステップに進むための書籍を紹介します。
ステップ1:応用分野への展開(行動経済学・データ分析)
基本原理の「限界原理」や「インセンティブ」は、伝統的経済学の基礎です。これに「人は常に合理的ではない」という現実の要素を加えた応用分野に進むと、経済学の面白さが深まります。
| 分野 | おすすめ書籍 | 学習できること |
| 行動経済学 | 行動経済学が最強の学問である (相良 奈美香 著) | 人間の非合理的な意思決定のパターン(バイアス)を知り、経済学と心理学の融合した視点を身につけることができます。なぜ私たちは損を恐れるのか、など。 |
| 因果推論 | 「原因と結果」の経済学 (中室 牧子、津川 友介 著) | 経済学や政策評価で近年最も重要視されている**「因果関係」**の考え方を学べます。「相関関係」と「因果関係」の違いを明確にし、データから真実を見抜く思考法を身につけます。 |
ステップ2:古典と名著に触れる
現代経済学の源流となった古典的な名著に触れることで、経済学の歴史的背景と現代への影響を理解できます。
| 書籍名 | 著者(時代) | おすすめポイント |
| 国富論 (抜粋版など) | アダム・スミス(18世紀) | 経済学の父スミスの著作。**「見えざる手 (Invisible Hand)」の概念を通じて、市場メカニズムが社会全体に富をもたらす仕組みの原点を知ることができます。 |
| 資本論 (入門書・マンガ版など) | カール・マルクス(19世紀) | 資本主義の仕組みと矛盾を分析した古典。資本主義経済を批判的に捉える視点**や、**「労働価値説」**などの概念を通じて、経済学の多様な思想を理解するのに役立ちます。 |
| 雇用の利子および貨幣の一般理論 (入門書) | ジョン・メイナード・ケインズ(20世紀) | マクロ経済学の基礎を築いた名著。**「不況時に政府が介入すべき」**という考え方(ケインズ経済学)が生まれた背景と、現代の財政・金融政策への影響を学べます。 |
ステップ3:本格的な理論学習(大学教科書)
より専門的に、数式やグラフを伴う本格的な理論を学びたい場合は、以下の教科書が学習の軸となります。これらは提示された「ミクロ経済学の力 / マクロ経済学の力」や「マンキュー入門経済学」と並ぶ定番です。
| 書籍名 | 分野 | おすすめポイント |
| ミクロ経済学 (伊藤 元重 著) | ミクロ | 日本の経済学者が執筆した教科書の定番の一つ。市場のメカニズム、ゲーム理論などを、日本の事例を交えながら分かりやすく解説しています。 |
| マクロ経済学 (中谷 巌 著) | マクロ | 比較的平易な解説で、IS-LM分析などの基本的なフレームワークから、経済成長論までをカバー。マクロ経済学の全体像を把握するのに適しています。 |
これらのステップを参考に、ご自身の興味や学習進度に合わせて次の1冊を選んでみてください。








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