紅葉狩り(もみじがり)の由来とは
- 平安時代の貴族の風習に由来する説:
- 当時の貴族は、紅葉を見るために野山へ出かける際、歩くことが下品だと考えていました。
- そのため、狩猟(獣を捕らえること)に見立てて「紅葉狩り」と呼ぶことで、体裁を保ちながら野山を歩き、紅葉を楽しんだと言われています。
- 紅葉を手に取って鑑賞していた説:
- 平安時代の貴族が、実際に紅葉の枝を折って手に取り、集めて鑑賞していたことから、「狩り」という言葉が使われるようになったという説もあります。(現在は紅葉の枝を折るのはマナー違反です)
- 鬼女「紅葉(もみじ)」を討伐する伝説に由来する説:
- 長野県の戸隠などに伝わる「鬼女紅葉伝説」において、武将が鬼女となった「紅葉」を討伐(狩る)したという物語が、能の演目『紅葉狩』として広まったことに由来するという説もあります。
紅葉狩りは、奈良・平安時代に貴族の間で始まり、江戸時代以降に庶民にも広まって、現代まで続く日本の伝統的な秋の風物詩となっています。
紅葉狩り(もみじがり)の歴史と文化
1. 「狩り」の語源と意味
現代の「紅葉狩り」は文字通り紅葉を鑑賞することを意味しますが、もともと「狩り」という言葉には、**「眺めて楽しむ」**という意味合いがありました。
- 平安時代: 当時の貴族たちは、実際に山野へ出かけて紅葉した枝を手折って愛でたり、歌を詠んだりしました。この「手折る」という行為から「狩り」という言葉が使われるようになったという説が有力です。
- 「花見」との対比: 春の「花見(桜)」は、木の下で宴会を開くなど賑やかに楽しむ側面が強いのに対し、秋の「紅葉狩り」は、山に入って静かに風情を楽しむ、より精神性の高いものとして区別されていました。
2. 平安貴族の遊び
紅葉狩りは、春の桜と並んで、平安貴族にとって欠かせない雅(みやび)な行楽でした。
- 和歌の題材: 貴族たちは、紅葉した山や渓谷へ舟を浮かべ、景色を愛でながら、紅葉の美しさや無常の世への思いを和歌に詠みました。『古今和歌集』や『源氏物語』にも紅葉の記述が多く残されています。
- 「錦」の表現: 紅葉の美しさを表現する言葉として、赤や黄色に色づいた山を、織物の「錦(にしき)」に例える表現が定着しました。
紅葉の種類と「紅葉」「黄葉」の違い
私たちが「紅葉」と呼ぶ現象には、植物の種類の違いにより色の変化に違いがあります。
| 種類 | 色の変化 | 代表的な木 | 色づく仕組み |
| 紅葉(こうよう) | 赤色に変化 | モミジ、カエデ、ハゼノキ、ウルシなど | 葉に含まれるアントシアニンという赤い色素が増えるため。 |
| 黄葉(こうよう) | 黄色に変化 | イチョウ、ポプラ、カツラ、シラカバなど | 葉の緑色の色素(クロロフィル)が分解され、元々あったカロテノイドという黄色の色素が目立つようになるため。 |
| 褐葉(かつよう) | 茶色に変化 | ブナ、ナラ、ケヤキなど | アントシアニンもカロテノイドも少なく、葉の細胞の成分が変化し、茶色くなるため。 |
見頃の決定要因
美しい紅葉の鍵は、主に以下の3つの自然条件が揃うことです。
- 昼夜の寒暖差が大きいこと:夜の冷え込みが激しいほど、葉に糖分が溜まり、紅葉の色素(アントシアニン)が作り出されやすくなります。
- 適度な日照時間があること:日中の十分な光合成が必要な色素を作るためのエネルギーとなります。
- 適度な水分があること:葉が乾燥せず、健全な状態を保っていることが必要です。
全国で人気の紅葉狩り(もみじがり)スポット
京都 嵐山 渡月橋と紅葉のコントラスト

| スポット名 | エリア | 見どころ | 例年の見頃 |
| 京都 嵐山 | 関西(京都府) | 渡月橋と紅葉のコントラスト、天龍寺などの古刹との調和。竹林の小径も人気。 | 11月中旬〜12月上旬 |
| 日光 | 関東(栃木県) | いろは坂の山肌を彩るグラデーション。中禅寺湖、華厳の滝など大自然と世界遺産の社寺のコラボレーション。 | 10月中旬〜11月下旬 |
| 高尾山 | 関東(東京都) | 都心からアクセス抜群で気軽に楽しめる。ケーブルカーからの眺めや、山頂からの富士山との共演。 | 11月中旬〜12月上旬 |
| 香嵐渓 | 東海(愛知県) | 4,000本ものモミジが山全体を染め上げる壮大な景色。巴川に映る紅葉と夜のライトアップが有名。 | 11月中旬〜11月下旬 |
| 奥入瀬渓流 | 東北(青森県) | 清流と苔むした岩、ブナやカエデなどの紅葉が織りなす渓流美。遊歩道でハイキングも楽しめます。 | 10月中旬〜10月下旬 |
| 層雲峡 | 北海道 | 日本で最も早く色づき始めるスポットの一つ。柱状節理の断崖と紅葉が圧巻の渓谷美。ロープウェイからの眺めも人気。 | 10月上旬〜10月中旬 |
エリア別のおすすめスポット(目的別)
中央アルプス 千畳敷カール

1. 山岳・大自然の絶景を楽しむ
| スポット名 | エリア | 特徴 |
| 中央アルプス 千畳敷カール | 甲信越(長野県) | 標高が高く、日本で早くから紅葉が始まる場所の一つ。山肌一面の黄金色の景色は圧巻。ロープウェイでアクセス。 |
| 上高地 | 甲信越(長野県) | 雄大な穂高連峰を背景に、梓川沿いのカラマツやダケカンバが美しく色づく。河童橋からの眺めが有名。 |
| 八甲田山 | 東北(青森県) | ロープウェイで360度のパノラマ紅葉を堪能。山全体が燃えるような錦絵になります。 |
| 尾瀬ヶ原 | 関東(群馬・福島・新潟) | 紅葉だけでなく、湿原の草が黄金色に染まる**「草紅葉(くさもみじ)」**が有名。ハイキングしながら楽しめます。 |
2. 歴史・庭園・ライトアップを楽しむ
三溪園

| スポット名 | エリア | 特徴 |
| 三溪園 | 関東(神奈川県) | 横浜にある歴史ある日本庭園。古建築と紅葉の調和が美しく、夜間ライトアップも人気。 |
| 明治神宮外苑 | 関東(東京都) | 都心のど真ん中、約300mにわたるイチョウ並木が黄金色のトンネルを作り出す。 |
| 東福寺 | 関西(京都府) | **通天橋(つうてんきょう)**から見下ろす渓谷の紅葉が有名。京都有数の紅葉の名刹です。 |
| 兼六園 | 北陸(石川県) | 日本三名園の一つ。赤く染まる木々と、池や松などの美しい調和が日本らしい風景を演出します。 |
3. 温泉地・ドライブで楽しむ
箱根

| スポット名 | エリア | 特徴 |
| 箱根 | 関東(神奈川県) | 芦ノ湖や美術館の庭園など、様々な場所で紅葉を楽しめ、温泉でゆっくりと疲れを癒せます。 |
| 河口湖 もみじ回廊 | 甲信越(山梨県) | 富士山を背景に約60本のモミジ並木が続く。紅葉まつり期間中はライトアップも楽しめます。 |
| いろは坂 | 関東(栃木県) | ドライブしながら紅葉のグラデーションを満喫できる、日光を代表する絶景の山岳道路。 |
エリア別のおすすめスポット(目的別)【ポイント】
- 紅葉の見頃は標高が高い場所から始まります(北海道・東北・山岳地帯が早く、関東・関西の平野部や庭園などは遅めです)。
- 例年の見頃は目安であり、その年の気候によって前後しますので、お出かけ前には最新の情報をチェックしてください。
- 特に人気スポットは大変混雑しますので、早朝の訪問や公共交通機関の利用も検討すると良いでしょう。
紅葉狩りのための準備とマナー
快適に紅葉狩りを楽しむために、いくつかの準備とマナーがあります。
準備
- 服装: 1日の寒暖差が大きい時期です。脱ぎ着しやすい上着や防寒具(マフラー、手袋)を用意しましょう。特に山間部や渓谷は冷え込みます。
- 靴: 寺社や公園の散策でも、山道や舗装されていない道があるため、歩きやすいスニーカーやトレッキングシューズがおすすめです。
- 持ち物: カメラ、モバイルバッテリー、飲み物、タオル、あれば双眼鏡があると遠くの紅葉も楽しめます。
マナー

- ゴミの持ち帰り: 自分の出したゴミは必ず持ち帰りましょう。
- 動植物を大切に: 貴重な植物や紅葉した枝を勝手に折ったり、持ち帰ったりするのはマナー違反です。
- 立ち入り禁止区域に入らない: 危険な場所や、自然保護のために立ち入りが制限されている場所には絶対に入らないようにしましょう。
- 交通ルール: 特にドライブコースでは、渋滞を引き起こすような迷惑駐車は避け、交通ルールを守りましょう。
紅葉狩りは、日本の四季の移ろいを肌で感じ、心静かに自然の美しさを愛でる素晴らしい文化です。ぜひ、今年の秋はご自身に合ったスタイルで満喫してください。
紅葉スポット別 おすすめ宿泊施設
紅葉の時期は特に人気が高く、価格も変動しやすいです。特に記載がない場合、料金は1泊(大人1名様あたり)の目安となります
| スポット名 | おすすめ施設名 | 特徴・おすすめポイント | 料金目安 (1泊) |
| 京都 嵐山 | 京都嵐山ご清遊の宿らんざん | 嵐山で数少ない温泉大浴場があり、静かに過ごせる格式高い宿。食事処でのくつろいだ時間も魅力です。 | 要確認 |
| 京都 嵐山 | ホテルビナリオ 嵯峨嵐山 | JR嵯峨嵐山駅からすぐで、観光拠点に便利。カフェ、レストラン、大浴場を備えた機能的なホテルです。 | 要確認 |
| 日光 | 赤沢温泉旅館 | 渓谷沿いの静かな場所に佇む温泉旅館。露天風呂からの景色が評判で、高評価を得ています。 | 6,400円〜 |
| 日光 | 日光パークロッジ東武 | リーズナブルな料金で宿泊できるホステル。予算を抑えたい方や、登山・ハイキング目的の方におすすめです。 | 4,138円〜 |
| 高尾山 | タカオネ | 高尾山口駅に近く、登山のベースキャンプに最適。テラス付きのカフェやインダストリアルな空間が人気です。 | 17,492円〜 |
| 高尾山 | Mt.TAKAO BASE CAMP | 高尾山麓にあるホステル、カフェ、バーを併設した複合施設。登山客やバックパッカーに人気です。 | 17,983円〜 |
| 香嵐渓 | 香嵐亭 | 紅葉の名所・香嵐渓の巴川沿いに立つ昔ながらの旅館。紅葉の時期は特に予約が困難な、風情ある立地が魅力です。 | 要確認 |
| 香嵐渓 | 小鳩屋 | 非常に高い評価を得ている宿泊施設。香嵐渓周辺でゆったりと過ごしたい方におすすめです。 | 10,162円〜 |
| 奥入瀬渓流 | 奥入瀬渓流ホテル by 星野リゾート | 渓流沿いに立つ唯一のホテル。モダンな客室と渓流を望む温泉、豊富なアクティビティが魅力で、紅葉の滞在に最適です。 | 77,220円〜 |
| 奥入瀬渓流 | 野の花焼山荘 | 素朴で温かい雰囲気の温泉宿。奥入瀬渓流散策の疲れを天然温泉で癒せます。 | 22,500円〜 |
| 層雲峡 | 家族混浴できる大露天風呂の宿 層雲峡観光ホテル | 層雲峡温泉の中心に位置し、大露天風呂や大浴場が魅力のホテルです。ロープウェイへのアクセスも良好です。 | 12,757円〜 |
| 層雲峡 | 層雲峡マウントビューホテル | 川沿いに位置する穏やかな温泉ホテル。源泉かけ流しの温泉とバイキング料理が楽しめます。 | 8,834円〜 |
※記載されている価格や空室状況は、検索を行った時点(2025年10月3日)のものであり、ご予約の時期やプランによって変動します。最新の情報は、各施設の公式サイトや予約サイトでご確認ください。










コメントを残す